家出

この家にいると惨めな気持ちになる。

いかに自分が欠落しているかを突き付けられているみたい。

息苦しくなる。徐々に下降気味のモチベーション。

だから家を出ることにした。ひとりで生きていた方がマシだし、そっちの方が自分の為にもいいと思う。

きっとここにいたら、成長出来ない、永遠に。

自分はなんてひどい奴だろう。

泣き叫ぶ赤子に対して何も思えない。

みんな、どうしてそんなに愛情を注げるの？

立派な人間に育って、老後の面倒をみて欲しいから？

そんな考えに埋め尽くされる。最低な人間。

何の確証も保証もないのに。
どうして子供をつくるの？

人間をつくるの？

ああ、やっぱりわからない。気持ち悪いって思うし、気持ち悪い、その関係。

そういう人なんだって思えば簡単。世の中が少しわかったような錯覚。
憎しみが哀れみに昇華される。

ああ、早く家出よう。